日本神話に代表される『古事記』や『日本書紀』。
その中に記述されている最も有名な神様の1人が、スサノオノミコト/須佐之男命です。以降カタカナ表記で統一。
スサノオの刺青を見たことないという方もいると思いますが、多くの方は「見かけていたが認識していなかった」というのが実情です。
というのも【神話】の人物だなのもあり、残された絵画にキャラクターとしての特徴の違いがあるためです。
「スサノオノミコトってどんな神様?」という方、スサノオのタトゥーデザインを検討している。という方にこの記事では逸話、タトゥーデザインを紹介します。
スサノオを入れる際のススメ
スサノオの刺青のモチーフは歌川国輝による『本朝英雄傳』図が有名です。この絵はタトゥーのモチーフとしては男らしく華やか、力強い印象を受けます。やんちゃですが。ヒーローととるか無法者ととるかは記事を最後までご覧ください。
タトゥーデザインの特徴
スサノオ出生の秘密
イザナギとイザナミという2人の神が、力を合わせて数々の神様や日本の大地を生み出してきました。
イザナミは火の神カグツチを生んだ際に火傷を負って亡くなり、イザナギは黄泉(よみ)の国までイザナミに会いに行きます。しかし、死体となり変わりゆく姿にショックを受け、逃げ帰ってしまいます。
イザナギは、黄泉の国の穢(けが)れを洗い流すために禊(みそぎ)を行い、その際に多くの神様が生まれます。そして最後に、アマテラスオオミカミ・ツクヨミノミコトに次いでスサノオノミコトの3人の神様が生まれました。
天岩戸(あまのいわと)事件
父親イザナギは3人の神にそれぞれの世界、アマテラスは天、ツクヨミは滄海原(あおのうなばら)または夜の食国(よるのおすくに)、そしてスサノオには夜の食国または海原を治めることを命じます。しかしスサノオはそれを断り、母親のイザナミのいる根の国に行きたいと泣き明かす日々。その為海は荒れていると伝えられています。
それに怒った父イザナギはついに「望み通りにしろ」とスサノオを追放処分にします。
追放され根の国へ向かうスサノオは、その前に天(高天原)を治める姉であるアマテラスの元へ挨拶に向かいます。しかし、アマテラスはスサノオが占領しに来たと思い、武装して迎え撃つのです。
誤解を解くためスサノオが提案した『誓約(うけい)』により、高天原にしばらく在留することに。しかしスサノオは、高天原のあらゆるところで暴挙を働き、それに怯えたアマテラスは天岩戸に隠れてしまい、世の中は光のない闇世の世界になってしまいます。一説ではこれは日食を示しているのでは?との説もあります。この事件を天岩戸と呼びます
知恵の神、オモイカネによってアマテラスは岩戸から出され、ただちに乱暴者のスサノオを高天原から追放します。
※誓約(うけい):古代日本で行われた占い
ヤマタノオロチ退治
高天原を追放され、スサノオは出雲国に降り立ち、ある老夫婦とひとりの娘と出会います。
その娘は奇稲田姫(クシナダヒメ)といい、夫婦の8人の娘のうちの末娘。
『日本書紀』では奇稲田姫(くしいなだひめ)、稲田媛(いなだひめ)、眞髪觸奇稲田媛(まかみふるくしいなだひめ)、『出雲国風土記』では久志伊奈太美等与麻奴良比売命(くしいなだみとよまぬらひめ)と表記する。
年に一度、ヤマタノオロチという8頭8尾の巨大な蛇がやってきては娘を1人ずつ食べられてしまい、今年はとうとう末娘も食べられてしまうと悲観に暮れていました。
哀れに思ったスサノオは、ヤマタノオロチを退治することを申し出て、見事退治に成功します。これで日本最古のヒーロー誕生です
この時にヤマタノオロチの尻尾から出てきたのが、三種の神器の一つ『天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)』。のちに『草薙剣(くさなぎのつるぎ)』と呼ばれ、今では熱田神宮の御神体となっています。
その後はクシナダヒメを妻に持ち、幸せな家庭を作るとともに、豊かで幸せな国を統治しました。
スサノオが題材の絵
須佐之男命が記述されている書籍
日本の神話 完全保存版 (TJMOOK) 大型本 – 2019/5/28
図解 日本神話 (F-Files No.033) 単行本(ソフトカバー) – 2011/11/1
決定版 心をそだてる 松谷みよ子の日本の神話 (決定版101シリーズ) 単行本 – 2010/10/21
まとめ
いかがでしょうか。ヒーロー?無法者?どちらに感じたでしょうか。
日本神話に出てくる多くの神様は善と悪の両面を持ち、人間味あふれる特徴で描かれることが多く、スサノオはその代表的な神様だと言えます。
スサノオの逸話がいろいろな形で語り継がれているのは、どこか人間臭さを感じさせるスサノオの魅力が理由なのかもしれません。