タトゥーを施術するうえで下記7つの工程が必要となります。本記事ではタトゥー施術の流れを大まかにご紹介致します。
打ち合わせ
お客様とアポイントを取ってからの初めてのセッションとなります。
同意書
身分証明書を提示、同意書への署名が必要となります。施術できる年齢は都道府県によって異なりますので、自身を守るためにも身分を証明していただいてから施術を行いましょう。
カスタムデザイン
大きさ、部位によって制限はありますが、ここでは申告の要望から、お客様に納得頂けるデザインのヒントを探ります。
和彫りにはある程度決まった型があります。そこを極端に逸脱しない様にしましょう。
ワンポイントタトゥーはジャンル、大きさ、部位も様々です。アーティスト個々で得意、不得意があります。
得意ジャンルの幅を広げることはとても重要です。ですが、苦手なジャンルの依頼は無理に受けることはお客様、アーティスト双方にとってデメリットが大きいので断る勇気を持ちましょう。
フラッシュワーク
元々アーティストが作成したデザイン(フラッシュ)をそのまま入れるスタイルをフラッシュワークと呼びます。フラッシュを作成することはお客様に気に入られなければ「無駄な作業」となる。と思うかもしれませんが、フラッシュはアーティストの財産、自分を紹介する為の資料となりますので作りためておきましょう。
型取り
デザインを作成する為、お客様の体から適切なサイズの型を取ります。
※直立頂いた状態で型を取りましょう。歪んだ態勢で型を取ってしまった場合、転写したときに歪んで転写されてしまいます。
型を正確に取らないと、お客様の要望に添えなくなってしまいます。気をつけましょう。
デザイン作成
ここでタトゥーのほとんどを決めると言っても過言ではありません。
昔からある定型デザインもありますが、なるべく「真似」ではなく「オリジナル」のデザインを作成しましょう。
作成するにあたり、10年ほど前はほとんどの方がトレーシングペーパーや紙で下絵を作成しておりましたが、現在のタトゥーアーティストはiPadなどのタブレットやデジタルで作成する方も多いです。肩や肘など可動域が広い部位の場合は動くのデザインも伸びたり縮んだりしますので計算して作成しましょう。
和彫り
和彫りにはデザインに決まったルールがありますので、そこを厳守し伝統を守るようにデザインを作成しましょう。
洋彫り
洋彫りのデザインには特定のルールはありません。しかしごちゃごちゃし過ぎないようにデザインを作成しましょう。
転写(ステンシル)
↓
肌にデザインを写す作業です。転写はステンシル液を体に塗り、濡れた部位に作成したステンシルペーパーを張り付けることによって肌に絵が写ります
この転写をもとに施術を進めていきます。ずれてしまうとその後正確にアウトラインが彫れなくなってしまうので、妥協しないように転写をしましょう。
ステンシル液には様々な種類があります。さらさら~ドロドロまで様々な液体がありますので好みのものを使用しましょう。
▼STENCIL STUFFは粘着性が高く乾きにくいステンシル液なので初心者にもおすすめです。
筋彫
ここからが刺青の施術作業となります。
施術は大きく分けて
手彫り
マシン彫り
での施術となります。どちらも針を肌に入れる深さ、速さなどを正確に入れる必要があります。深く入れてしまうと滲んでしまったり浅く入れてしまうと色が抜けてしまう原因となります。
アウトラインは施術のファーストステップです(ポートレート以外)。
転写ステンシルをなぞります。アウトラインが綺麗であることは刺青を綺麗に見せる大事な作業です。
使用する針はLiner(ライナー)Round(ラウンド)針での施術となります。
ぼかし
ぼかしはデザインの陰影部分、和彫りの背景部を埋める作業を指します。
インクの種類によってよりグレー色に近くなるもの、肌の茶色が強く出るものの差が大きくなります。インクの種類も様々ですので、色々な種類を試してみるのもいいでしょう。
グレーの作り方も人それぞれで
- 黒のインクのみを用意して作業しながら針先を水につけて薄める方
- 初めから薄める用の液体/精製水で薄めたものを都度インクの先につけて施術する方
大きく分けて2つのパターンがあります。
カラー
カラーにも多くの種類があります。こちらも さらさら~ドロドロ のインクがあります。同じ色でも種類、メーカーによって体への発色は様々ですので実際に試して肌への発色を確かめることをお勧めします。彫師の方によってはベースはこのメーカーのものを使うが黄色だけは他のメーカーを使うなど、好みによって使用するインクにも違いがあります。
施術後
施術後は施術部位にワセリン/亜鉛軟膏などを添付その上からラップ/タトゥー用バンテージを貼り血止めを図ります。
お客様へはそのまま放置せず、1~2時間ほどで洗い流しアフターケアを実施頂くよう案内しましょう。
アフターケア
アフターケアの説明も大切な工程です。アフターケアを怠ると施術箇所が傷になってしまったりして色が飛んでしまう可能性があります。作品作りはお客様と共同作業ですのでしっかりご案内しましょう。アフターケアについての説明書き、小分けのアフターケア用品をお渡しすることをおススメします。
アーティストによって案内は様々ですが、施術部位は傷と同様です。清潔に保つよう心がけましょう
よい例
・1日に1~2回1週間程度、該当部位にアフターケアクリーム/抗生物質の入った軟膏を添付する
悪い例
・ワセリンを1週間塗り続ける(ワセリンは空気を通さないため傷の治りが遅くなる可能性があります)
・何もしない(乾燥により部位が割れて色飛びの原因となります)
最後に
先にも記載しましたが、刺青を入れるというのはお客様との共同作業です。大きい刺青になれば1年以上かかる場合もざらにあります。お互いがベストで作品作りできる環境を作って施術に臨みましょう。